働き方改革と会議の見直し

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働き方改革と会議の見直し

1.「会議の見直し」の掛け声につきまとう違和感って?
 最早、社会課題になっている「働き方改革」、皆さんの中には、この「働き方改革」の推進部門に所属していたり、その責任者だったりする方々も少なくないと思います。

 そのような方々は、経営サイドの「早く帰らせろ!」とか「仕事のメリハリをつけさせろ!」という指示と、現場サイドの「推進部門は掛け声だけで、後は現場に丸投げだ!」とか「そうは言われても、仕事量は変わらないのに!」という声に挟まれて、時にフリーズしている、ということがありませんか?

 皆さんサイドこそが「そうは言われても!」ですよね。
 こんな時、HOWとして飛びつき易いものが「会議の見直し」です。確かに、会議の目的が分からないまま始まり⇒意見が出ず⇒意見が出ても脱線するか、声の大きな人が支配し⇒だらだらと時間が過ぎ⇒結局、時間切れで⇒次回の会議が設定される、更に「おい、そこの若手、議事録作れ、勉強になるぞ! チェックしてやるから、出来たら持ってこい!」「と言われても、何が決まったんですかあ(泣)」「え~、部長はそんな立派な意見、言ってませんよ、良いんですか書いちゃって?」と言った不毛なやりとりの中、あっという間に1週間が過ぎるといった、新たに仕事を拡大再生産する「能率の悪い会議」は、多くの企業で問題視されていますから。

(写真1)

 しかし、会議の回数や時間を減らすことで、意思決定の質やスピードの低下を招いては本末転倒です。そもそも、仕事の中身や進め方に内在するいろいろな問題が、たまたま会議では「能率の悪さ」という形で表出しているわけですから、いきなり「会議の見直し」を言ったところで、現場はもちろん言い出しっぺの推進部門も「発熱の原因は分からないけど、とりあえず解熱剤を飲むみたいだよね」という違和感を持つはずです。仮に見直しを進めるとしても、「会議の規則○条」を作って、会議室の壁に貼っておしまいになりそうです。

2.「会議の見直し」は建付け次第で働き方改革のトリガーになる?
 働き方改革の目的趣旨を考えれば、ターゲットの本丸は上記の「仕事の中身や進め方に内在するいろいろな問題」を改革することであって、「早く帰る」は結果として「そうなる」という位置付けであるべきですよね。とはいえ、一億総働き方改革だ!、残業は悪!の流れの中、働き方改革推進部門の悩みは、残業時間削減の効果を即!見せないと、経営サイドに報告できない、現場サイドの賛同を得られないところですよね。だったら、解熱剤としてバッサリ切った「会議の見直し」を上手く使いませんか。「会議の見直し」は、○○%減らす/減らしたという数字目標としやすく、成果としても分かりやいですから。
 具体的には、「会議の見直しをトリガーにして、効果の手触りを感じつつ、本丸である仕事の中身や進め方に内在するいろいろな問題に向かいませんか」と建付けて、「本丸攻めのトリガーですよ!」とするのです。であれば、上記の違和感も和らぐでしょう。

3.「会議の見直し」のライトな3つの方法
 建付けができたら、具体的に会議の見直しについて取り組みます。巷でいろいろな書籍やセミナーがありますから、まずは改革部門で良さそうなものを見つけて、現場に紹介することが良いでしょう。ですが、いざ紹介するとしても、こういった外部のリソースの活用は、自分の手触り感がないと説得力に欠けますよね。
 そこで、自分達で比較的簡単にできる手触り感のある「会議の見直し」法を3つ紹介しますので、これをまずはやってみましょう!と現場に提案してみてください。

(1)会議の冒頭でゴールを決める
「何が決まったら、この会議は終わる事ができるんでしたっけ?」を会議の冒頭で必ず提起して、ゴールを決める。
開催通知等で明示されているとしても、リマインドとしてあらためて確認する。
ゴールをホワイトボードの左上に書いておくと尚良いですね。
ゴール、いわば会議の行き先を明示することによって、参加者の多くが会議に集中し、脱線、だらだら進行が減ります。
(2)会議の残り時間10分を活用する
会議の進み具合からして、予定したゴールまで行きそうもないときは、会議の終了前10分に議論を打ち切って、次回に何をする、次回に向けた宿題等を決めることに充てる。
それをホワイトボードに書いておくと尚良いですね。次の会議に向けて「進んでいる感」が出るし、なにより会議に切れ味が出て、「じゃ、そういうことでよろしく!で終わったけど、何が決まったんでしたっけ?」が起きにくくなります。
(1)、(2)は、会議の中で、だれもが出来て、確実に会議時間を減らせる豆ツールです。
(3)会議の時間を見える化する
「1週間あるいは一カ月当たり、こんなに会議に時間を使っているんだ!」を自覚してもらう。
多くの部門でスケジュール管理ソフトを使っているでしょうから、比較的たやすく集計、分析できますね。人件費を重ねると尚良いですね。見える化の過程で「目的や意味がはっきりしない仕事のための会議、そんな会議の時間を短縮したってしかたないや」的な、前向きなそもそも論が出て、本丸である「仕事の見直し」につながっていきます。

4.「会議の見直し」と「ホワイトボードで創造会議」
上記の3つの方法に加えて、更に会議の能率を向上させるために、写真1のようにホワイトボードを使って、会議での発言を構造的に見える化する方法に着目し、その研究、普及する事を目的とした任意団体が「ホワイトボードで創造会議」です。
レアリゼアカデミーでは、研究成果を下にして、明日から使えるホワイトボード活用スキルの普及を目的とした実践重視のセミナーを定期的に実施させて頂いています。