真田コラム

「ブラック企業」への違和感(4月27日ニュースレター掲載分)

ブラック企業という言葉をよく聞くようになりました。
そして与党から、ブラック企業の社名を公表しようという意見が
出ているようです。しかし、ブラック企業という言葉は随分曖昧な定義で
使われている気がします。
法令を遵守しないコンプライアンス違反の企業から、
パワハラ・セクハラの横行、そして長時間労働や離職率の高い企業まで
ブラック企業と呼ばれています。

コンプライアンス違反やパワハラ・セクハラはもっての外ですが、
長時間労働や離職率の高さを同列で扱う風潮には疑問を感じます。
もちろん、労基法の枠を超えた長時間労働は問題です。
しかし、これは単に一企業の問題ではありません。
ある意味、日本の悪しきビジネス文化であり、
例えば、いま解雇規制の緩和が話題になっていますが、
一度雇用すれば解雇できないという状況の中では、
安易に人を増やせないので、仕事が増えても人を増やさず
長時間労働になるという側面もあります。

私が社会人のスタートを切ったリクルートは
長時間労働で、離職率も高い職場でした。
しかし、リクルートはブラック企業とは呼ばれていません。
それは、長時間労働も承知で入社していたことと、
結果として長時間ではありましたが、そこに強制はなく、
多くの人は仕事を楽しんでいたからだと思います。
また仕事を通じて自分を成長させることができると
信じていたからでもあります。

離職率も世間標準から言えば、飛び抜けて高かったはずです。
私の同期は約600名いましたが、
おそらくもう50人も残っていないでしょう。
しかし、この事実を指してブラック企業とは誰も思っていません。
定年まで在籍することは有り得ない会社と承知で入社し、
早く卒業して活躍することを夢みていたからです。
そのために短い年数でも思いっきり仕事を楽しみ、
自己研鑽に励んでいました。

「ブラック企業」という単純なレッテル張りではなく、
仕事を楽しめること、仕事を通じて成長を実感できること、
そんな職場作りが大切ではないでしょうか。

更新日: 2013年 04月 28日

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