真田コラム

先生って呼ばないで!(3月14日ニュースレター掲載分)

いわゆる「先生業」の会社を経営して12年になりますが、
私は「先生!」って呼ばれると、未だに物凄い違和感を感じます。
だって、「先生!」と呼ばれるほど偉い人になった訳では、ないですから。

確かに人に何かをお伝えする立場ではありますが、
それは単なる職業上の役割です。
荷物を運ぶ仕事や、レジをうつ仕事と同じように、職業上の役割であって、
決して人間的に立派だからその立場になった訳ではありません。
自分の人格が反映した結果ではないのです。

ところが、人間は弱い生き物で、毎日、「先生!」と呼ばれ続けると、
自分が偉くなったように、錯覚するのです。
上から目線になり、他人の忠告を受け入れなくなります。
傲慢になるのです。

ちなみに、「社長!」と呼ばれることにも同じ効果があります。
もちろん、「先生」や「社長」としての自覚を持って、
責任を果たすことは大事です。
その意識づけとして、肩書で呼ばれることのメリットはあります。
しかし、それ以上にデメリットがあるのではないかと、私は思うのです。

思えば、私の師匠である故江副浩正氏(リクルート創業者)は
当時から自分のことを「社長!」とは呼ばせず「江副さん」でした。
新入社員の時に「江副さん」と声をかけたら「真田さん」と
返して下さったことを今でも鮮明に覚えています。
私は2つも錯覚する要素がある立場にいるのです。
ですから、社内では当然お互いに「さん」で呼びあいます。

レアリゼでは今年から「講師」という呼称を廃止しました。
「講師」はやはり「先生」を連想させるからです。
研修の現場においても、「教える」というスタイルになりがちです。
私たちの目指すサービスは「講師」が「受講者」に
知識やスキルを「教える」ものではありません。
「参加者」が主体的に、学び、
自分たちの問題解決をしていく場を提供することです。

そのために普段とは違うフレームワークをご紹介したり、
学びのための材料をご提供することはあります。
「上から目線」ではなく、「支える目線」が必要なのです。
「ラーニング・ファシリテーター」という新しい肩書には、
そういう意味を込めています。

更新日: 2013年 03月 15日

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