真田コラム

教育と学習の違い(8月3日ニュースレター掲載分)

「教育」と「学習」の目的は共に「成長」にあるのですが、
当然別の概念です。では、どう違うのでしょうか?
「教育」とは、教育する側が「必要である」と考えることを、
「教えていく」行為です。
つまりあくまで「教える側」の意志によるのです。
ですから、道具や環境も「教える側」が提供します。
「教育」は、個人の外側から内側への働きかけという言い方もできます。

一方、「学習」は「学ぶ側」が「必要である」と考えることを
「吸収する」行為です。
学習は、「学ぶ側」の意志によります。
ですから、周りがどんなに道具や環境を提供しても、
本人が必要性を感じなければ始まりません。
「馬を井戸端に連れていくことはできるが、
馬に水を飲ませることはできない」という言葉がありますが、
まさにそうなのです。

さて、「教育」と「学習」の関係はどうなっているのでしょうか?
私は「教育」の無い「学習」は存在しますが、
「学習」のない「教育」は意味が無いと思います。
何故なら、共に目的は「成長」にあるのですが、
「成長するために、どうあるべきか、どうすべきか」は
個々人によって違っているからです。
「教育」はあくまで一般論であり、
自分に即した学びは「学習」していくしかありません。
では「教育」は必要ないかというと、もちろんそうではありません。

学習する時に、必要な知識やスキルを身につけるには「教育」が必要です。
つまり「教育」は、「学習」の助けになることを目指しているわけです。
また、「教育」によって「学習」意欲を高めることもできます。

企業人に必要な学びの中心は「学習」です。
そうすると、「学び」の機会を作る上司や人事部は
「学習支援者」であり、「教える人」ではありません。

現代のような複雑な世の中においては、新人などの初期教育を除いて、
「教育」すべき正解を常に上司や人事が知っている訳ではないのです。
ひとり一人が主体性を持って、「学習」していくしかないのです。
上司や人事にすべきことは、
「学習」意欲を引出し、「学習」する文化を創ることです。

更新日: 2012年 08月 16日

コラム一覧へ