真田コラム

経営者感覚とは(11月29日ニュースレター掲載分)

経営者が「ウチの社員にも経営者感覚を身につけて欲しい」
若手ビジネスマンが「若いうちから経営者感覚を身につけたい」
よく聞く会話です。しかし、経営者と若手ビジネスマンの言う
「経営者感覚」は実は別ものだと思います。

そもそも、「経営者感覚」という言葉には2つの意味が含まれています。
「経営的知識に基づく判断力」と「究極の当事者意識」です。
「経営的知識に基づく判断力」とは、主に経営上の数字を理解し、
その上で判断することです。若手ビジネスマンが言う「経営者感覚」は、
主にこちらを指します。ですから、会計の知識・スキルを
身につけることで、それを実現しようとします。

では、会計の知識がつけば、経営者感覚を持つことが
できるのでしょうか?もちろん、そんなことはありません。
数字だけ理解していても、経営の全体像を掴んでいなければ、
経営者としての判断はできないからです。
そして、何よりも「究極の当事者意識」が無ければ、
単なる評論家で終わってしまいます。
「ウチの会社ってさぁ、○○○○ができてないんだよなぁ…」
という会話は典型的な評論家であり、経営者感覚の対極にあるものです。
経営者は、自分自身が会社の一部であり、当事者そのものなのです。

もちろん本当の経営者で無い立場では、できることは限られています。
しかし、できる範囲のことを全てやり尽くしている人を、
私は見たことがありません。経営者は他人の責任にしたくても、
後ろに控えている人がいないのでできません。
資源が足りなく、有効な打ち手がない、厳しい状況でも決断し、
行動するしかありません。その覚悟こそが、「経営者感覚」です。

夢や理想を語ることも大事ですが、それを実現するために、
厳しい現実の中で決断し行動するのです。
「自分の理想、BESTでないから…」と
言い訳している場合ではありません。
「BESTがなければ、BETTERを選ぶ」しかありません。
経営は空想ではなく、現実だからです。
「理想はこうあるべきだ」と評論している暇はありません。

さて、もうすぐ選挙です。
立候補者は「経営者感覚」を身につけているでしょうか?
じっくり見る必要がありそうです。

更新日: 2012年 11月 30日

コラム一覧へ