真田コラム

人はパンだけで生きるのではない(2014年7月18日ニュースレター掲載分)

「大きくなったらプロ野球選手になりたい」と答える子供がよくいます。
好きなことだけをやって生きていけるとしたら、どんなに幸せでしょうか。
しかし、仕事は経済行為でもありますから、好きだけではやっていけません。
でも実際には、世の中にはあまりお金にならないことを
職業として選択する人も結構います。
それどころか、職業としてまだ認知されていないこと、
まだ成立していないことに取り組む人もいます。
仕事で得るものはお金だけではないからです。
もし、自分が大好きで得意なことだけど、1円も生まないことを仕事にしたら
(普通はそれは仕事とは呼ばず趣味と言いますが)
どんな人生になるのでしょうか?

梅原大悟氏は、15歳から世界一を続ける、10年に1人の天才と呼ばれる
世界最強のプロ格闘ゲーマーです。
当時は職業としてプロがある訳ではありませんでした。
でも、彼はずっと願っていました。
「自分は誰に見せても恥ずかしくない努力をしている」
「ゲームと言えども、自分を高める努力を続けていれば、いつかゲームへの、
そして自分自身への周囲の見方を変えることができる。評価される日が来る」

しかし、現実は変わらず彼は葛藤を続けます。
「俺はゲームで何かを人に伝えることはできないんだ・・・」と諦め、
一度はゲームを捨て、麻雀の道に進んだのです。
趣味は楽しいだけで続けることができます。
しかし、仕事は楽しいだけでは続けることができないのだと思います。
それは金銭の問題とは別次元の話です。
人は仕事を通じて、自分が何者かを知りたいのだと思います。
自分が世の中に存在している意味を。価値を。

再び格闘ゲームの世界に戻ってきた梅原氏は、
29歳の時にお金をもらう本当の意味でのプロになりました。
2013年にはニューヨーク大学のゲーム大学院に招かれて講演をする程までに
世界的に認められた存在になりました。
彼は人に勇気や希望を与える存在になったのです。

人はパンだけで生きるのではないのです。

更新日: 2014年 07月 22日

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