真田コラム

『適する』生存戦略(2014年7月31日ニュースレター掲載分)

皆さん、今年の土用丑の日はウナギを食べたでしょうか?
ご存じの通り、ニホンウナギは国際自然保護連合(IUCN)により
絶滅危惧種に指定されています。
しかし、弱い生き物だから絶滅危惧種になる訳ではありません。
たとえば栃木県北部の那須野が原で食物連鎖の頂点に君臨するのは大鷹です。
しかし、強者である大鷹こそが今、絶滅の危機に瀕しています。
自然界では「強い者」が残るのではないのです。
「適した者」が残るのです。「適する」ことが大事なのです。

では、「適する」ためにはどうすればよいのでしょうか?
「適する」ために生物はそれぞれ独自の方法を編み出しています。
たとえば、ナマケモノは食糧が少なくても生命維持できるように、
基礎代謝量を極端に抑えるという生存戦略を取っています。
だから行動が遅いのです。

人類が編み出した「適する」方法は「協働」です。
人が、もし猛獣が潜むジャングルに一人でいたなら、生きてはいけません。
人類は「適する」ために、社会性を身に付け「協働」することを
生存戦略にしたのです。

また、環境変化に「適して」種を存続させるための生存戦略が必要です。
たとえば同質な「形質」(遺伝的な特徴)ばかりでは、
人類は「適する」ことはできません。
どういう「形質」が環境に有利に働くかは計算不能なので、
可能な限り多くのパターンの「形質」を持っておきたいところです。
このイレギュラーな「形質」は「障害」と言われます。
「障害」つまりイレギュラーな「形質」を持った人は、
人類が「適する」ための生存戦略であり大切な存在なのです。

では、企業が「適する」ためにの生存戦略は何でしょうか?
「協働」は社内の従業員同士においても、
他社との関係においても重要な戦略でしょう。
とすれば、協働するための関係構築が必要でしょう。
協働するためには大義や理念の御旗が必要でしょう。
同質の集団では、環境変化に「適する」ことはできません。
イレギュラーな「形質」は多く保有したいところです。
多様化は重要な生存戦略です。

言い尽くされている当たり前のことですが、
土用丑の日にウナギを食べながら、改めて、考えました。

更新日: 2014年 08月 01日

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