真田コラム

発芽時間(2014年8月21日ニュースレター掲載分)

私はマンションのベランダのプランターで
いくつかの花や野菜を育てています。

もし、小さな子どもがプランターに種を植えて、
すぐに水をかけたとします。
そして、芽が出ないかじっと見つめていたとします。
あなたは、その子どもにどう声をかけますか?
「水をかけたからって、すぐに芽が出る訳ではないんだよ。
芽が出るには時間がかかるんだよ」

二つのプランターに種を植えていたのですが、
4日経ってあるプランターから芽が出ました。子どもは大喜びです。
でも、もう一方のプランターは芽が出ません。
子どもは「おかしいな~」と言って、
そのプランターに延々と水をかけます。
あなたは言うでしょう。
「そんなに焦っても無理よ。違う種を植えたんだから」
でも、その子は次の日も、その次の日も、
プランターを見つめて言いました。
「ママー、この種腐ってるよ。もう捨てようよ」
「もうちょっと我慢しなさい。捨てるなんてとんでもない」

翌日、その子がプランターを観ると芽が出てました。
「ママー、見て見て!この種腐ってなかったよ」
一つめのプランターに植えた種はミニトマト。
条件によって変わってきますが、
発芽に平均4~14日程度かかります。
二つめのプランターに植えた種はバジル。
発芽に平均7~14日程度かかります。

植物には、植物固有のスピードがあります。
発芽に7日かかるバジルにどんなに大量の水を与えても
4日で発芽することはないでしょう。
また、種は発芽するまで何も変化が起きていないのでしょうか?
種の内部では様々な変化が起きているはずです。
変化が起きていなければ発芽するはずがありません。
ただ、外部からはそれが見えないだけです。

人材育成でも同じことが言えるのではないでしょうか。
他人からは、本人の内部で起きてる変化は見えません。
でも変化は起きているのです。成長には「遅れ」が存在するのです。
また、人の成長スピードは一律ではありません。
それぞれの個特有のスピードがあるのです。
バジルに「ミニトマトになれ!」と言っても無理なのです。
個性を認めるというのは、そういうことです。

更新日: 2014年 08月 25日

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