真田コラム

教育投資の価値(2015年6月1日ニュースレター掲載分)

先日、山口県湯田温泉での講演の前日に萩に足を延ばしました。
萩で私は二つの学校を訪れました。1校は、長州藩の藩校「明倫館」です。

本当に驚きました。
明倫館は、なんと東京ドーム以上の大きさがあったそうです。

そこに、小学校から大学校まであり、寮もあれば、奨学金制度もあったのです。
教える科目は、漢学・音楽・医学・天文・地理・算術・筆道・礼式・兵学と
多岐に渡ります。
さらに、射術・馬術・槍術・剣術・騎術・大砲・柔術・水軍・游泳・銃隊。
現存している建物は、剣術の道場だけですが、
ここではあの坂本龍馬も練習をしていたのです。

明倫館が創建された1700年代初頭頃、
貨幣経済の浸透で多くの藩は財政悪化で苦しんでいました。
家禄の減少で藩士は困窮し、士道退廃つまり武士たちのモラルや意欲は
著しく低下していました。

こんな時代に、多くの藩で藩校が設立されていったそうです。
何故でしょうか?
長州藩で言えば、藩主毛利吉元は、財政危機に陥った藩の
藩政改革の一つとして明倫館を作ったのです。
つまり教育によって組織と風土を変えようとしたのです。

明倫館は、桂小五郎、長井雅楽、吉田松陰、高杉晋作、井上馨などを
輩出しています。
そして、明倫館で学び、教壇にも立った吉田松陰が、後に松下村塾で指導し、
そこから長州藩だけでなく日本自体を変革していく人材が育っていくのです。

教育がいかに大事か、そして危機の時に教育投資を中止するのではなく、
むしろ教育こそ投資する価値があることを改めて学ぶことができました。
次回のコラムでは、もう一つの訪問校である松下村塾を訪れてみて
気づいたこと、学んだことを紹介します。

更新日: 2015年 06月 03日

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