女性活躍推進

ダイバーシティはこれからの日本企業にとって重要な問題です。
ダイバーシティと言うと、女性活躍の話になることも多いですが、対象は性別だけでなく、国籍、シニア社員、雇用形態など様々あります。
その中でも多くの企業にとって特に重要なのが以下の3点でしょう。
・女性の活躍推進
・シニア社員の活躍推進
・正規社員以外の雇用形態の従業員の活躍推進
 
少子高齢化が進み、生産労働人口が低下する日本社会において、今までのように男性中心、終身雇用、同じような価値観、の同質な集団では企業は存在し続けることが出来ません。
「多様な個に活躍してもらうこと」が企業存続のためには不可欠です。
 

◎女性が管理職になることを妨げている要因は何か。
先ほどの3つの活躍推進の中でも、最も重要なテーマは、やはり女性の活躍推進でしょう。
女性活躍推進という言葉は、女性管理職の比率を上げるという趣旨で話されることが多いですが、女性が管理職になることを妨げている要因は何でしょうか?
 
たとえ本人に管理職になる能力や適性があっても、「長時間労働」と「転勤」といった問題が、その気持ちを妨げているケースがあります。個人の生活も充実させながら、ずっと働くということを考えると、管理職になることが現実的ではなかったり得策でないと感じる人も多いようです。
同じ理由で、能力は高いのにあえて総合職にならずに一般職になる人もいます。
今の会社の仕組みや働き方が、せっかく能力のある女性社員のやる気をくじいているのです。
ワークライフバランスが実現できるように会社の仕組みや制度などの改革を進めていく必要があります。
では、今後女性がより活躍をしたり、管理職になる女性が増えるためには、制度以外では何が必要なのでしょうか。
それは、女性社員だけでなく、同僚、管理職、経営陣など多くの人の意識変革です。
 
 
たとえば女性社員には、こんな風に考えている人も多いのではないでしょうか
「私にはリーダーなんて務まらない」
「今後の結婚や出産といったライフイベントを考えると管理職なんて無理!無理!」
「男性は、子どもが生まれても、飲みにもいけるし、仕事も変わらず出来るからいいな」
 
上司や同僚には、こんな風に考えている人も多いのではないでしょうか
「時短の社員は仕事より家庭優先。大事な仕事を任せたら負担が大きくて、可哀想だよ」
「お子さんがいる女性社員には、出張はお願いできないな」
 
◎アンコンシャス・バイアス
こういった「無意識の偏見」「無意識の思い込み」をアンコンシャス・バイアスと言います。
過去の経験などから誰しも自然に持っている思い込みです。
瞬間的、無意識的、に起きる脳の認知の仕組みなので、自分でもなかなか気づきません。
そして、自然と相手に対する遠慮につながることが多いのです。
たとえば、上司や同僚は「良かれと思って」、女性社員に対して遠慮し、責任ある仕事を与えなかったりすることが、結果として成長の機会を奪っているのです。
遠慮と配慮の区別が必要です。そして、アンコンシャス・バイアスの克服が必要です。
 
■経営陣
女性活躍推進やダイバーシティは「政府が旗を振ってるから、世間で言われているから、ある意味流行だから・・・だからまた人事がうるさいこと言ってる!」と思っている管理職は多いのではないでしょうか。つまり社内に会社の本気が伝わってないのです。
経営陣が「女性活躍推進」は会社の将来に関わる重要問題だという本気の認識を持ち、その意義やメリット、そして取り組まない場合のデメリットも含めて、しっかり言語化して、社内外に発信することが必要です。
そのことが、女性活躍推進の強い後ろ盾になります。
 
もちろん、言葉だけでなく、制度や文化を変えることも必要です。たとえば、子育て中の人や親の介護をしている人に長時間労働や転勤を強いることは難しいでしょう。
仕事量にはフルコミット出来ない事情の方も含めて多様な個に活躍してもらう仕組みに変えていく必要があります。
 
ただし、こういった仕組みの変更には、その前にOSの転換が必要です。ここでいうOSとは、仕事や働くことについての「人間観・世界観・価値観・哲学」です。

たとえば、
・「仕事には常に自分の人生をかけてフルコミットすべきだ」
・「学生時代の文化祭の前のような時間も忘れた働き方が一番楽しい」
 
気持ちは分かりますが、残念ながらこのOSのままでは、ダイバーシテイーや女性活躍推進は進まないのです。
これからは、たとえば次のようなOSが必要でしょう。
 ⇒「人生のフェーズが変化すれば、仕事との付き合い方も変わるものだ」
  「お互いさまで、協力しあうことが必要だ」
  「同質な集団からは、新しいアイディアは生まれない。多様性が必要だ。」
「多様な働き方」を許容する文化を作るOSへの転換が不可欠です。
 
■同僚
メンバー各自が「チームメンバーは全員が仕事にフルコミットして当然だ」と思っていたりすると、あたりまえですがチームはうまく回りません。時短勤務をする本人は後ろめたい気持ちになりますし、他のメンバーも「あの人だけズルい……」と不健全なことを考え始めます。結果的にチームの雰囲気は最悪なものになるでしょう。
 
■管理職
女性活躍推進と言われても、女性社員をどう扱ったらよいか分からない管理職もいるでしょう。もちろん接し方や育成の仕方を学ぶことも必要かもしれませんが、それ以上に大事なことは、女性社員の部下を持つ管理職の意識変革が不可欠です。
 
◎少し前の年配の管理職には女性社員のことをまさに「女の子」扱いをしている人が少なくなかったと思います。
今はさすがに、そういう発言をする人はいないと思いますが、今でもそういう感覚の管理職はいるようです。
これは、女性社員を「戦力」として観ていない証拠です。
 
成長の機会も与えずに、期待もかけずに、戦力外とするのは、はなはだ不公平と言えますし、せっかくの貴重な人材を活かしていないのは問題と言えるでしょう。
人を成長させ、活かすには、「機会を与え」「鍛え」「期待をかける」ことが必要です。
 
◎女性社員のライフイベントを理解し、部下のキャリア形成を配慮する。
女性はライフイベントにおける選択肢が男性よりはるかに多いです。人は選択肢がなければ、割り切るしかないですが、選択肢が多いことが、キャリアを考えることを逆に難しくしています。
管理職はこの「選択の悩み」を理解し、悩みを解消するように、関わってあげる必要があります。
 
◎女性社員の特徴を理解し、特徴を踏まえたコミュニケーションを取る。

女性をステレオタイプ的に観ることは避けなければいけませんが、一般的な特徴は理解しておいた方がよいでしょう。
たとえば、男性は「解決」ばかりに目がいく傾向がありますが、女性は「共感」を大切にする傾向があります。
それを理解しない男性管理職が共感を無視し、解決ばかりを迫れば、当然関係はおかしくなります。男性管理職の中には、「部下の意見に納得できないのに、共感なんて出来ない!」と思う人も多いようです。
こういう管理職は「共感」と「同感」の違いを理解していないのです。
 
また男性は理性的、論理的に物事を取り扱う傾向が強いですが、女性は感情的に扱う傾向が強いのです。
ビジネスだから、「感情」なんて関係ないと思うのは、「人の行動のメカニズム」を知らない人の考えです。
女性に限らず、人は「感情」に強く影響を受けます。「感情」を扱うコミュニケーション手法を身につける必要があります。
 
 
 
■女性社員
今までの社会や会社の常識で、あるいは過去の経験から、女性社員が管理職やリーダー的立場に、間違ったイメージを持っていることがあります。以下に2点あげてみます。
 
1)管理職などリーダーの仕事に魅力を感じない
リーダーとして働くことのメリットを改めて考えてもらう必要があります。
もちろん、大変な面はありますが、それ以上のやりがいや面白みに気づいてもらう必要があります。
 
2)自分は管理職やリーダーに向いていない
自分はガンガンいくアグレッシブなタイプでもないし、グイグイ人を引っ張るタイプではないから、自分はリーダーは向いてないと思い込んでる人がいます。
それは古いリーダー像からくる誤解です。
確かに少し前までは、強引な支配型リーダーが幅をきかせていました。
また、数少ない女性管理職にもそういうタイプの人が多かったことも事実です。
しかし、時代は変わりました。最近では、サーバントリーダーシップのような、メンバーの気持ちを汲んで導くタイプのリーダーが望まれ、そういう人が成果を出していることが目立っています。
こういうリーダーシップには、むしろ女性の方が本来向いているのです。何故なら、女性の方が男性よりも共感力が優れ、相手の感情にも配慮出来る傾向があるからです。「女神的リーダーシップ」という本が出版されているくらいです。
誤解を解き、新しいリーダー像を描くことが必要です。
 
◎ライフイベントへの対応
女性がキャリアを積み重ねるにあたって、様々なライフイベントにどう対応するのか。仕事と家庭をどう両立させるか。自分ひとりでは解決出来ません。職場の上司や同僚の助けが必要です。お互いさまです。配慮はしても遠慮せずに、正直に協力を求めることが不可欠です。そのためには、次のような準備をします。
・仕事を見える化しておく
・自分でしか出来ない仕事、人に振れる仕事を明確にする
・いざという時に誰に仕事を振るかを事前に考え、コミュニケーションを取っておく
・個人的事情を予め打ち明ける
 
短期的な対応策も必要ですが、同時に長期的な視点でキャリアを考えることも重要です。
いまや人生100歳時代です。自分はどう生きたいのか、どういうキャリアを形成したいのか、短期的視点だけでなく、長期的な視点でじっくり検討する機会が必要です。
 
 
【対応するプログラム】
汎用版として下記のようなプログラムをご用意しております。
実際のご提案にあたっては、クライアント様の目標と現状に応じ、下記プログラムをカスタマイズし、オーダーメイドで設計して、ご提供致します。
 
(経営幹部・管理職・女性社員・一般社員)
・女性活躍推進ワークショップ
(例)熊谷組ワークショップ
 
(管理職)
・女性活躍・ダイバーシティ推進管理職プログラム
・多様性を活かす構造化コミュニケーション
・感情コントロール・プログラム
 
(女性社員)
・管理職候補者向けプログラム
・新しい時代のリーダーシップ開発プログラム
・ワークライフバランスを実現するキャリアデザイン・プログラム
・構造化コミュニケーション
・マネジメント力強化プログラム

【プログラムの要素例】
・多様性の価値と活用     ・ダイバーシティとインクルージョン
・アンコンシャス・バイアス  ・自己開示
・男性的価値観        ・女性的価値観
・様々なリーダーシップタイプ ・サーバントリーダーシップ
・共感と同感         ・感情のコントロール
・強みや適性の再確認     ・仕事の見える化と分類
・巻き込み力         ・遠慮と配慮
・長期キャリアビジョンと願望(Wantsイメージ)の明確化
・人の行動のメカニズム    ・構造化コミュニケーション
・アサーション        ・iメッセージetc・・・