株式会社サンクゼール 代表取締役氏 久世良三氏 講演レポート「長野から世界へ、サンクゼールの挑戦」

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大澤 千恵

B!

第1回サーバントリーダーシップフォーラム
~ この国にはリーダーシップが足りない!! ~

株式会社サンクゼール 代表取締役
久世 良三 氏

「長野から世界へ、サンクゼールの挑戦」


2011年10月26日に行われた「第一回サーバントリーダーシップフォーラム」。
参加者の皆さんにサーバントリーダーシップについて考えて頂くことを目的として、毎回 各界のリーダーをゲストとしてお招きし、ご講演頂いています。
ゲストの中には、日頃からサーバントリーダーシップを意識して実践していらっしゃる方もいれば、ご自身では「サーバントリーダーシップ」という言葉は意識していないものの、自然とサーバントリーダーシップを実践していらっしゃる方もいます。
今回は、ゲストの1人である株式会社サンクゼール 代表取締役氏 久世 良三氏の講演レポートを掲載させて頂きます。

1.登壇者情報

久世 良三氏

株式会社サンクゼール 代表取締役

1950年生まれ。大学卒業後、(株)ダイエー入社。1975年斑尾高原に「ペンション久世」をオープン。妻の手作りジャムが好評となり、1982年ペンションをやめ、ジャムの委託製造販売を開始。その後ワイン製造免許を取得しぶどう栽培及びワイン醸造を開始。1999年軽井沢プリンスアウトレットにある直営1号店が大成功を収める。現在、全国に36店舗、中国に4店舗を展開中。現在、注目の成長企業。

※部署・役職はインタビュー当時のものです

2.講演レポート

「長野から世界へ、サンクゼールの挑戦」

ある雑誌のインタビューで、社員に私がどんなリーダーかを尋ねたところ、多くの社員が、以下の2つあげました。

・夢を語っている、方向性を示してくれる
・話を聞いてくれる、個人的な相談に乗ってくれる

経営者は、一見届きそうにもない夢を語り続けることが大事であると、私は思います。ビジョンを与えられて、失敗を恐れない度胸と決断力が私の特徴だと思っています。


例をあげますと、昨日、甥がやりたいことが見つからず、家に篭っているので、悩み相談に乗りました。失敗を恐れ、苦しいことを避けている。何もしないで、頭でっかちになって、右往左往している。私よりも知識はあるけれど、足りないのは度胸と行動力だ、と話しました。

常に社員には、[勇気を持って行動すること。責任は私が取るので、失敗を恐れず、たくさんのチャレンジをしましょう、何もしないことが一番良くない]と言っています。
これは、今の日本に足りないことではないでしょうか。

また、私は常に言葉と行動を一致させることを心がけています。
私どもの会社は聖書に基づく経営をしようということで、理念を作っています。
これは、社員が、社長の私がいなくても聖書に則って、ぶれない経営ができるということを狙いとしています。社員に対して信仰は強制しないし、信仰を理由に区別・差別はしないことを決めていますが、聖書の考え方は学んでほしい、と伝えています。
常に謙虚さを持って、成長しようと話しているのです。

自分が常に完璧であろうとしないほうがいいのです。自分のダメな所を受け入れ、バランスをとろうとするよりも、お互いに学び、得意な人に任せることを大事にしています。自分の限界を知り、人に頼ることが大切です。


妻はかつて、会社が倒産しかけたときが一番楽しかった、と言っていました。なぜかというと、自分は完璧だと思っている夫が、そのときはよれよれになって弱さを見せてくれたから、自分の存在価値を感じられて嬉しかった、と言ってくれました。

社員も同じだと思います。自分が一番正しい、意見を言っても聞く耳を持たない、自分はスーパースターだと思っていた頃の私にはサポートできないですし、仕事にもやりがいを感じられませんよね。

会社が経営危機に陥り、借金が膨れ上がり、さらに自分も心身症のように声が出なくなってしまったことがあります。その時にはじめて、この会社が潰れてしまうかもしれないということ、会社の数字の現状をありのままに社員の皆に伝えました。そして、自分ひとりで突っ走ってきてしまったことを謝りました。
自分の弱みをさらけ出すことは、自分のリーダーシップを下げることだと思っていたので、ずっと言わずにいたのですが、この話をした時には、一緒に泣いてくれる社員がたくさんいました。そして社員達は、会社再建のために今までの3倍以上も働いてくれたのです。

私はそのときの反省から、サーバントリーダーシップを心がけるようになり、今までは自分のことばかりでしたが、相手の背景をもっと知ろうとすること、何よりも感謝の気持ちを持つこと、そしてそれを心から言葉にするようになりました。

「相手に関心を持つ」「気遣う」「褒める」「認める」ということを、会社の組織に対しても、妻に対しても心がけています。

今、私は本当に社員を誇りに思っています。社員や妻や、お世話になった方々に恵まれて、そのおかげでここまで来られたと思っています。


3.サーバントリーダーシップについて

今後、企業が継続的に発展していくために必要な考え方の1つとして、レアリゼではサーバントリーダーシップを推奨しています。
2004年にはNPO法人日本サーバント・リーダーシップ協会を設立。レアリゼ代表の真田が理事長を務め、レアリゼが事務局を担っています。


当webサイトにはサーバントリーダーシップのまとめページを設置していますので、是非そちらもご活用ください。

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