1. HOME
  2. レアリゼについて
  3. サーバントリーダーシップについて
  4. 第1回サーバントリーダーシップフォーラム

第1回サーバントリーダーシップフォーラム

第1回サーバントリーダーシップフォーラム

~ この国にはリーダーシップが足りない!! ~

日本は今、戦後最大の国難にあります。この困難を乗り越えるためには、リーダーシップが必要です。
ではどんなリーダーシップを身に着けることが必要なのでしょうか?
数々の苦難を乗り越え、高い成果を上げている企業リーダーから本物のリーダーシップを学ぶ1日です。

登壇者

基調講演

「今の時代に求められるリーダーとは」

大竹 美喜 氏

アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)社 創業者・最高顧問

1939年、広島県生まれ。大学卒業後、米国留学。1974年にアフラック日本社を創業し、日本で初めてがん保険の販売をスタートさせた。副社長、社長、会長を経て2003年から現職。(社)経済同友会幹事、(社)ニュービジネス協議会副会長、社会福祉法人東京都社会福祉協議会会長などを歴任し、現在、公益財団法人国際科学振興財団会長、国立大学法人筑波大学経営協議会委員、国立大学法人広島大学特別顧問。その他、多数の団体の役職について活動をするかたわら、高校生、社会人を対象とした次世代の人材育成にも注力している。

講演

「長野から世界へ、サンクゼールの挑戦」

久世 良三 氏

株式会社サンクゼール 代表取締役

1950年生まれ。大学卒業後、(株)ダイエー入社。1975年斑尾高原に「ペンション久世」をオープン。妻の手作りジャムが好評となり、1982年ペンションをやめ、ジャムの委託製造販売を開始。その後ワイン製造免許を取得しぶどう栽培及びワイン醸造を開始。1999年軽井沢プリンスアウトレットにある直営1号店が大成功を収める。現在、全国に36店舗、中国に4店舗を展開中。現在、注目の成長企業。

講演

「グローバルリーダーに求められるもの」

日置 正克 氏

コマツ(株式会社小松製作所)常務執行役員

1975年3月東京大学法学部卒業、75年4月小松製作所入社。75年7月粟津工場総務部勤労課、79年6月人事部人事課、82年7月人事部教育課(留学 カミンズ社)、86年2月英国コマツ株式会社、90年10月コマツドレッサーカンパニー 人事ディレクター、97年1月経営企画室コーポレートカルチャー部長、02年4月広報・IR部長、03年4月人事部長、08年4月より現職。他にコンプライアンス、法務、人事・教育、安全・健康管理を管掌。

講演

「サーバントリーダーシップの必然性」

真田 茂人

NPO法人日本サーバント・リーダーシップ協会 理事長

株式会社レアリゼ代表取締役社長。早稲田大学商学部卒業後、(株)リクルートなどを経て(株)レアリゼ設立。2009年日本サーバント・リーダーシップ協会理事長就任。心理学やシステム思考をベースにした人材開発及び組織開発のコンサルタントを展開。サーバントリーダーシップの普及を通じ、日本を再生し、グローバルに通用するリーダーの育成にも力を入れている『魅力的な組織を創るリーダーのための「自律」と「モチベーション」の教科書』(CEO BOOKS)他、著書多数。

講演レポート

基調講演

今の時代に求められるリーダーとは
アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社) 創業者・最高顧問 大竹美喜 氏

どのような人をリーダーと呼ぶのでしょうか?
例えば、スポーツを指導する方は「インストラクター」、各種団体の役員「ディレクター」、戦国武将は「ヒーロー」ではありますが、「リーダー」ではありません。
また、「リーダー」とは絶対に自称されることは許されない名称です。
それは、第三者が敬い、頼ることのできる人。そういった人にのみ与えられる他律的称号をリーダーと呼びます。
そういった意味で、職場の中にも目立たないけれど、リーダーと呼ぶべき人がいるということがお分かり頂けると思います。

リーダーには慧眼と謙遜が必要であり、またメンバーが集まり、自由な発言を許し、論争が起きても仲違いにならないように、労働の目標が生じるよう見守ってあげられることが必要です。そして、問われれば初めて自らの理念を語ります。
その理念に向けて一同結束させることができれば、立派なリーダーの名にふさわしいと言えるでしょう。

21世紀型リーダーシップとは、信頼を土台にした水平的・人格的リーダーシップだと思います。
先んじて人に仕え、犠牲と献身のなかで、自然と湧き出る権威こそが、21世紀型リーダーシップと考え、その道を模索しています。
例を一つ挙げましょう。
昨年、芸大に招かれた際、そこでミュージカルを上演しておりました。
そのときの指揮者が、深々と演奏者に頭を下げている様子を目にしました。それは演奏している方々に敬意を表しているということです。タクトを振っている方は、演奏している方に仕えている、「私はオブザーバー、モデレーターに過ぎない」という謙虚な姿勢がみなぎっていました。
これが、人に仕えるリーダーシップです。

私がアフラック日本社長に就任するにあたって、アフラック米国本社創業者である
J.B.エイモス氏から、「社長として最も大事な仕事は何だと思うか?」と問われました。私は「一刻も早く利益を上げて、本社に送金することだ」と答えると、「馬鹿者!」と叱られました。
「君の最大の仕事は、次のリーダーを選ぶことだ。」と言われたのです。
企業にとって一番大事なことはリーダーを選ぶこと。リーダー次第で組織は変わります。リーダーには企業を永遠に存続させる責任があり、何百年、何千年と続けていくために、いかに人が大事かということです。人で始まり、人で終わるものなのです。

リーダーが持つべきは、個人の夢、強い意志、そして行動を起こすこと。
歩み始めるときは、孤独な一歩です。歩んでいくうちに、理解者が現われるのです。
「私の夢」が「我々の夢」になります。サーバントリーダーシップの提唱者ロバート・グリーンリーフの言葉で、「何か偉大なことが起きるには、そこに夢がなければならない。まず夢ありきである」というのがあります。


真のリーダーがフォロワーから信頼を得るには、まず奉仕をすることです。マネージャーは地位と権限が必要ですが、リーダーには職位が伴うものではありません。
フォロワーはリーダーに強制されているわけではないので、ノーと言って引き返すことが出来るにもかかわらず付いてくる、というのがリーダシップです。
つまり、リーダーの夢はフォロワーの夢となっているので、夢をどのように描くかが大事なのです。

「リード・ザ・セルフ」「リード・ザ・ピープル」「リード・ザ・ソサイアティ」と自分自身、人々、社会を巻き込むことで夢が実現できます。10年、20年、50年先のことを描き、進むことが必要です。

マネージャーは今日一日を乗り切ればいいのです。分かりやすく言うと、 リーダーは「木を見ず森の姿を考える。組織全体を見渡し、将来を考える戦略的視点が必要」ですが、マネージャーは、「木を見て受け持った部門を十分に機能させること、上から与えられた目標を戦術として具現化することが必要」ということであり、リーダーとマネージャーは決定的に違うのです。
マネージャーとして優秀であっても、リーダーに向いているとは限りません。
リーダーは部下から信頼されることが何よりも大事です。尊敬の念、信頼の念なしに自発的な行動を期待することはできません。

今は、本当の人材育成が改めて問われる時代です。
現在の日本は、閉塞感、失業、ワーキングプアの増加、震災の影響、政治の不信など、危機に瀕しており、企業、学校、家庭どこにでも、本当のリーダーが求められているのです。
高い志を持って、ぶれない座標軸を持っていることが必要です。
学歴でも地位でもなく、リーダーの決め細やかな心配りが何より大切です。

私自身も、日本のため、世界のためにリーダー養成の活動をしております。
明日を切り開く人々に、信念を持って時代の困難に立ち向かい、日本の再生を図って欲しいと思います。
ひとりひとりに役割があり、いかにその役割を自覚して行動するか、というのが問われているのだと思います。
講演

長野から世界へ、サンクゼールの挑戦
株式会社サンクゼール 代表取締役 久世 良三 氏

ある雑誌のインタビューで、社員に私がどんなリーダーかを尋ねたところ、多くの社員が、以下の2つあげました。

・夢を語っている、方向性を示してくれる
・話を聞いてくれる、個人的な相談に乗ってくれる

経営者は、一見届きそうにもない夢を語り続けることが大事であると、私は思います。ビジョンを与えられて、失敗を恐れない度胸と決断力が私の特徴だと思っています。

例をあげますと、昨日、甥がやりたいことが見つからず、家に篭っているので、悩み相談に乗りました。失敗を恐れ、苦しいことを避けている。何もしないで、頭でっかちになって、右往左往している。私よりも知識はあるけれど、足りないのは度胸と行動力だ、と話しました。

常に社員には、[勇気を持って行動すること。責任は私が取るので、失敗を恐れず、たくさんのチャレンジをしましょう、何もしないことが一番良くない]と言っています。
これは、今の日本に足りないことではないでしょうか。

また、私は常に言葉と行動を一致させることを心がけています。
私どもの会社は聖書に基づく経営をしようということで、理念を作っています。
これは、社員が、社長の私がいなくても聖書に則って、ぶれない経営ができるということを狙いとしています。社員に対して信仰は強制しないし、信仰を理由に区別・差別はしないことを決めていますが、聖書の考え方は学んでほしい、と伝えています。
常に謙虚さを持って、成長しようと話しているのです。

自分が常に完璧であろうとしないほうがいいのです。自分のダメな所を受け入れ、バランスをとろうとするよりも、お互いに学び、得意な人に任せることを大事にしています。自分の限界を知り、人に頼ることが大切です。


妻はかつて、会社が倒産しかけたときが一番楽しかった、と言っていました。なぜかというと、自分は完璧だと思っている夫が、そのときはよれよれになって弱さを見せてくれたから、自分の存在価値を感じられて嬉しかった、と言ってくれました。

社員も同じだと思います。自分が一番正しい、意見を言っても聞く耳を持たない、自分はスーパースターだと思っていた頃の私にはサポートできないですし、仕事にもやりがいを感じられませんよね。

会社が経営危機に陥り、借金が膨れ上がり、さらに自分も心身症のように声が出なくなってしまったことがあります。その時にはじめて、この会社が潰れてしまうかもしれないということ、会社の数字の現状をありのままに社員の皆に伝えました。そして、自分ひとりで突っ走ってきてしまったことを謝りました。
自分の弱みをさらけ出すことは、自分のリーダーシップを下げることだと思っていたので、ずっと言わずにいたのですが、この話をした時には、一緒に泣いてくれる社員がたくさんいました。そして社員達は、会社再建のために今までの3倍以上も働いてくれたのです。

私はそのときの反省から、サーバントリーダーシップを心がけるようになり、今までは自分のことばかりでしたが、相手の背景をもっと知ろうとすること、何よりも感謝の気持ちを持つこと、そしてそれを心から言葉にするようになりました。

「相手に関心を持つ」「気遣う」「褒める」「認める」ということを、会社の組織に対しても、妻に対しても心がけています。

今、私は本当に社員を誇りに思っています。社員や妻や、お世話になった方々に恵まれて、そのおかげでここまで来られたと思っています。
講演

グローバルリーダーに求められるもの
アコマツ(株式会社小松製作所) 常務執行役員 日置 正克 氏

コマツのグローバル化は、60年代から先陣が先だって積み上げてくれたおかげです。
今現在、450人前後の海外駐在員がおり、社員の55%が海外の人であり、グローバリゼーションは日本人だけで行っているものではありません。

コマツの離職率は海外の現場も含め、0.7%です。
私達の考え方としては、優秀な人をヘッドハンティングするのではなく、会社に長くいてもらう前提で、会社の中で人材を育成していくという考え方なのです。

まず、それぞれの地域の歴史や文化を理解することに重きを置いています。
そのローカルの集まりがグローバル化であり、経営は現地化を推進、モノ作りはコマツ流を現地に伝えていくということです。
成功の鍵は、信頼して任せられる海外の社員をどれだけ増やせるか、ということで、そのために重要な一つは、信頼です。日本はホウレンソウ(報連相)が信頼のもとですが、海外はその人自身への信頼が当たり前なのです。

また、情報の共有、日本人と日本人以外の人を分けないこと。例えば、会議を日本人だけで行わない、「味噌っかすにしない」というのがキーワードです。
海外の人たちを、日本人が専門性で支えるという体制を良しとしています。

モノ作りの会社ははチームワークなので、チームあっての個人の力となります。ですので、リーダーも大事ですが、フォロワーも非常に大事なのです。
重要視しているのは、ヘッドハンティングをしない代わりに、リテンションが大事になるということです。そこには「居甲斐=コマツにいてよかった」の創出を目指しております。居甲斐のポイントは、働きやすい職場・機会を創ること・労働条件の3つです。
我が社では、優秀な社員よりも地道にコツコツ仕事をしてくれた人に対して、表彰をしていこうとしています。


コマツの人事の強みは、長期雇用・年功序列・労働組合の日本型雇用システムや、企業内教育・集団的意思決定の重視などが挙げられます。
育成としては、プロ育成、社員の自立自走、社員の主体的なキャリア形成を、会社がサポートする、という形を取ります。
特に機能別の人材育成の形式をとっており、専門性を深めることを良しとしています。
グローバル人材として大事なのは、英語能力ではなく、専門性だと認識していまし、専門性があれば、英語はついてくるものです。

そして人材育成について、今一番力を入れているのは海外の人たちの教育です。

特に、コマツに受け継がれている価値観、心構え、行動様式を明示したものを「コマツウェイ」として、それを浸透させるようにしています。
現在、管理職向けのビジネスリーダー選抜研修には、毎年中国人が2名参加、今年はロシア人も参加しています。

コマツの特徴として、トップは必ずコマツウェイの説明をし、トップが率先垂範することで、社員が安心して取り組めるようにしていくことです。コマツウェイの例として、「モノ作りに興味を持ち、仕事を楽しくやろう」「汗をかけ。汗をかかなければ知恵は出ない」「失敗をあえて責めない」などがあり、私も心がけていることです。

私達のグローバリゼーションを担っているのは、普通の人なのです。普通の人がちょっと努力をした人だと思います。そうした人たちの頑張りが合って、その総合体として成り立っているのです。
これからも、グローバル化といってスーパーマンを作るつもりはありません。
ここで長く働いてもらうためには、ということを考えること、海外の人とも力を合わせてどのようにチームワークを発揮していくか、ということになります。
そして、コマツの「らしさ」を大事にしたいと思っております。
講演

サーバントリーダーシップの必然性
NPO法人日本サーバント・リーダーシップ協会 理事長 真田 茂人

私の役割は、お三方のご講演がサーバントリーダーシップとどのような関連があるか、整理をすることです。

それでは、まずリーダシップとは何でしょうか?
リーダーシップとは、ある目的に向かって、個人や集団をその方向に行動するよう動機付ける影響力と言えます。
管理職は2つの権限を使えます。地位や肩書きによるマネジメントと、「ついていきたい」とフォロワーに思わせるリーダーシップです。
そうすると「強いリーダーシップ」とは何か?

それはフォロワーがどれだけ「ついていきたい」と思っているか。キャラクター的に強く、語気が荒くとも、フォロワーがついていきたいと思わなければ、それは弱いリーダーシップになります。

では、どうすればついていきたいと思われるのか?主に二つあります。一つは、「目指す目的が魅力的」ということ。もう一つは「リーダー自身の影響力」です。

業務の性質によって、必要な影響力は違ってきます。決められたとおりに実行する、効率性重視の定型業務ではマネジメントが必要ですが、変化に対応する、創造性を生み出す非定型業務ではリーダーシップが有効になります。
サーバントリーダーシップは昔からある考えですが、最近になって注目されているのには訳があると思います。
右肩上がりの経済環境化では作れば売れる状況ですから、効率が重視されます。逆に現在のような成熟した環境では、正解はなく、新しい答えを生み出す創造性が重要になります。
有名なダニエル・キム博士は、企業のフェーズによって、必要なリーダーシップは異なると述べています。創業期はパイオニア型リーダー、安定・成長期はマネジメント型リーダー、変革期は変革型リーダー、そしてその先にあるのがサーバントリーダーシップだということです。


リーダーシップ(影響力)の源泉は、二つあると考えます。
一つは「能力」、もう一つは「人間性」です。
能力のある方は尊敬を受けやすいですが、それだけで人格が伴わなければ、ついていきたいとは思えないでしょう。人間性も、人としてのあり方として、例えば野心を持つにも、自分のための野心なのか、みんなのための野心なのか、というのがあります。他にも言行一致、誠実さ、倫理観、謙虚さなどが源泉となっていると思います。

サーバントリーダーシップの「サーバント」は、使用人という意味ではなく、奉仕する・仕えるという意味を表します。自分が信じる価値あるミッションやビジョンに「奉仕」し、それを推進してくれる人たちに「仕える」ということになります。大竹さんなら会社の存在意義に、久世さんなら価値観に、日置さんならコマツウェイに、ということになります。

サーバントリーダーシップの対比となるリーダーシップとして、「君臨支配型リーダー」という表現が出来るでしょう。君臨支配型は「私」が主語で、自分のために人を動かします。これが機能するのは情報統制ができるような社会環境です。現在のような不安定で、創造性が必要な、そして様々なニュースに接する情報化社会の今こそ、サーバントリーダーシップが必要とされていると言えるでしょう。

私達ひとりひとりがサーバントリーダーシップを実践し、日本にサーバントリーダーシップを広めていきたいと考えております。
今日がその第一歩になれば良いと思います。

開催概要

日時 2011年10月26日(水) 13:00~17:30
場所 グランパークプラザ棟 301会議室(東京都港区芝浦3-4-1)
参加費(税込) 一般 8,000円/会員 4,000円
※当フォーラムのお申し込みと同時に協会会員お申し込みをされた場合には、フォーラム参加費は会員価格となります。詳しくは、NPO法人日本サーバント・リーダーシップ協会事務局(info@servantleader.jp)までお問い合わせください。
定員 150名(定員になり次第、締切)
主催 NPO法人 日本サーバント・リーダーシップ協会

※お申し込み確認後、お支払いのご案内をメールにてお送り致します。その後10日以内にお支払い手続きの完了をお願い致します。
入金確認後、受講票をお送り致します。その受講票にて受付の確認をさせていただきますので、当日は忘れずにご持参下さい。

※お預かりしたメールアドレスや電話番号に、事務連絡のほか同協会より各種ご案内(セミナー、活動報告等)をお送りする場合がございます。
また、協賛団体より各種サービスのご案内をさせていただく場合がございます。今後のご案内が不要な方は備考欄に記載してください。

その他のサーバントリーダーシップフォーラム開催レポート

レアリゼについて