プロアクションカフェとは

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プロアクションカフェとは

プロアクションカフェとは


プロアクションカフェとは、2008年にライナー・V・レオプレシュティンとリア・バーキによって開発された、最も新しいホールシステム・アプローチの会話手法です。

ワールド・カフェ同様、カフェにいるようなリラックスした雰囲気のなかで、プロジェクトを前進させたい人(コーラー (1) =提案者、プロジェクトを提案する人)と、そのプロジェクトをサポートしたい人(サポーター (2) =支援者)が相互に影響しあい、プロジェクトを前へ進めていくことができます。
コーラーが提案した具体的なアイデアについて、1テーブル4名(提案者1名、支援者3名)で対話を行います。さらに、1ラウンドごとにサポーターが重ならないように席を移動しながら、3ラウンドにわたって、コーラーはさまざまな質問、情報やコメント、アドバイスを得ることで、目標達成に向けて具体的な行動につなげていきます。

多様な参加者の知恵を集め、具体的なアクションを生み出していく対話の手法として、現在、注目を集めています。

さまざまな知恵を結びつけるワールド・カフェの役割と、OST(オープン・スペース・テクノロジー)のアクションにつながる対話のよいところを組み合わせた手法と言われています。 


1.プロアクションカフェの標準的な進め方



STEP1

オープニング

主催者のあいさつに続いて、ファシリテーターの自己紹介を行います。
次に、プロアクションカフェ全体のスケジュールについて説明します。

STEP2

コーラー(提案者)の募集

ファシリテーターがメインテーマを示し、コーラーを募集します。
コーラー希望者は、自分が進めていきたいプロジェクトをA4の紙に記入し、ひとりずつ参加者全員に伝えます。
その後、コーラーは、 4 〜 5 人が座れるテーブルへ移動して、コーラー以外のサポーターも、各テーブルに分散して着席します。

STEP3

第1ラウンド( 25 分)のテーブルごとの話し合い

問い「そのプロジェクトの背景(なぜ、始めようと思ったのか? その思いとは?)とは、 何でしょうか?」
最初に、コーラーがプロジェクトの概要を説明します。
その後、背景や思いについて語るところから、話し合いを始めます。

休憩
( 10 〜 20 分間)

この間にコーラーは、「自分が気づいた内容の整理」をまとめておきます。
サポーターは、応援メッセージを記入してコーラーに渡します。
その後、他のテーブルのサポーターと会話します。

STEP4

第2ラウンド( 25 分)のテーブルごとの話し合い

問い「プロジェクトを進めるにあたり、足りないもの、必要なものは何ですか?」
最初にコーラーは、プロジェクトの概要をもう一度、簡単に説明します。
その後、1ラウンド目でどんな話し合いがなされ、どんな気づきがあったのかを共有し、プロジェクトで不足していることについて話します。

休憩
( 15 〜 20 分間)

この間にコーラーは、次のような項目について、シートを整理します。

(1)自分自身について気づいたこと
(2)プロジェクトについて気づいたこと、学んだこと
(3)すぐ次に取りたい行動は?
(4)どんなサポートが得られると嬉しいか?
サポーターは、応援メッセージを記入してコーラーに渡します。
その後、他のテーブルのサポーターと会話します。

STEP5

第3ラウンド( 25 分)のテーブルごとの話し合い

問い①「すぐ次に取りたい行動は?」
問い②「他にどういう支援が必要ですか?」
最初にコーラーは、プロジェクトの概要をもう一度、簡単に説明します。
その後、休み時間に整理したシートの内容を共有します。
特に( 3 )と( 4 )について話します。

休憩、まとめ
(10 〜 20 分間)

コーラーは、これまでの話し合いを、A4の用紙にまとめます。
サポーターは、応援メッセージを記入して、コーラーに渡します。
その後、プロアクションカフェに参加した感想、また、今後どんなことに使ってみたいかを整理します。

STEP6

コーラーの気づきの共有

各コーラーは、ひとり 2 分間くらいで、「気づき」や「具体的な行動計画」を発表します。

参照:『OST実践ガイド』(英治出版2018年)


大川 恒

HRT 代表

1961年生まれ.。早稲田大学第一文学部卒。シカゴ大学経営大学院(MBA)修了。
現在、HRTでホールシステム・アプローチ(ワールド・カフェ、OST、AI、フューチャーサーチなど)のファシリテーター養成講座を開催している。
また、ホールシステム・アプローチを用いた『学習する組織』をつくる組織開発コンサルティングを行っている。地域コミュニティの構築支援および、その地域コミュニティを醸成する<越境型リーダー>を育成、支援する活動を展開中。著書に「ワールド・カフェをやろう!」「ホールシステム・アプローチ」(ともに日本経済新聞出版社刊)「俊敏な組織をつくる10のステップ」(ビジネス社)がある。
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