21世紀型地域コミュニティとは?

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21世紀型地域コミュニティとは?

21世紀型地域コミュニティとは?



21世紀型地域コミュニティの広い意味での特徴は以下のようなものです。

※左右にフリックしてご覧いただけます。
1、オープンに多様な人々が連携します
専門性や所属を問わないことです。年齢や年次の違いを越えた、当該地域におけるオープンな集まりになります。異職種、異なるセクターで仕事をしている人が、所属組織を超えて、連携し力を合わせます。
2、課題を解決することを目的とします
組織維持、既存利益を守ることを目的にしません。
3、様々な手段でコミュニケーションをします。
 直接顔を合わせることが、時間的に地理的に難しいケースがあるため、様々な方法でコミュニケーションを行います。直接顔を合わせるものから、電子的なものも含めて、様々なコミュニケーションで行います。
4、個が大切にされ、独立した個人同士がつながりをつくっている
 1人1人できる範囲で活動します。活動や貢献を強制されません。双方向コミュニケーションにより自律的に運営します。コミュニティへの参加は自由意志(個人の思い)によります。


この21世紀型地域コミュニティを形成するために必要な要素とは何でしょう?
重要なことは従来型のコミュニティの概念を打破することですが、すべてのコミュニティの構成者に強いることは現実的ではありません。
21世紀型地域コミュニティを作るには、新たなリーダーシップが必要とされます。
これを私たちは、越境型リーダーシップと呼んでいます。


21 世紀型〈地域コミュニティ〉が成立するための構成要素

前地域において、コミュニティ成立条件としてまず必要なのは、何のためにコミュニティが存在するのかという「目的」です。
コミュニティのメンバーが目的を共有することによって、そのコミュニティはより強固なものになります。
 
二番目の構成要素は「参加者」です。コミュニティの目的を共有し、情熱を持って積極的に自分の役割を果たすメンバーです。
また、 21 世紀型コミュニティにおける参加者は多様性を持っていることが望まれます。
 
第三の構成要素は「活動」です。コミュニティでは、目的と目標を実現するために参加者によるコミュニケーションとコラボレーションが行われます。
 
第四の要素は、「安全で信頼できる場」の存在です。これは自然にできるものではありません。
コミュニティのメンバーが継続的な対話と行動を通じてつくり上げていくものです。
 
第五の要素は、コミュニティのメンバーが相互にコミュニケーションを取るための「コミュニケーション・インフラ」です。コミュニケーション・インフラにはコミュニティのメンバーが気楽に集まって語り合うことのできる拠点となる物理的スペースなどのほか、インターネットのメールや S N Sなども含まれます。
最近では、インターネットを活用して顔を見ながら話し合うことのできるウェブ会議システムなども使われるようになってきています。

そして最後に「薄膜のバウンダリー」があります。
コミュニティの境界とは「◯◯市の住民」とか「○◯に関心のある人」とかいうように、コミュニティの範囲を決めるもので、これが規定されていないとコミュニティは成立しません。
しかし、この境界をギチギチにして外の世界との交流を閉ざしてしまうと活力を失ってしまいます。ですから、バウンダリーは「薄膜」にしておく必要があるのです。

参照:『ワールド・カフェから始まる地域コミュニティづくり』(学芸出版2017年)

大川 恒

HRT 代表

1961年生まれ.。早稲田大学第一文学部卒。シカゴ大学経営大学院(MBA)修了。
現在、HRTでホールシステム・アプローチ(ワールド・カフェ、OST、AI、フューチャーサーチなど)のファシリテーター養成講座を開催している。
また、ホールシステム・アプローチを用いた『学習する組織』をつくる組織開発コンサルティングを行っている。地域コミュニティの構築支援および、その地域コミュニティを醸成する<越境型リーダー>を育成、支援する活動を展開中。著書に「ワールド・カフェをやろう!」「ホールシステム・アプローチ」(ともに日本経済新聞出版社刊)「俊敏な組織をつくる10のステップ」(ビジネス社)がある。
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