株式会社阪急阪神百貨店様

  1. HOME
  2. お役立ち情報
  3. 事例紹介
  4. 株式会社阪急阪神百貨店様
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
株式会社阪急阪神百貨店様

株式会社阪急阪神百貨店様

「4,500人 総活躍する会社を目指す」という指針の下、
部下育成のスタンスの変革に取り組む

ホームページ:https://www.hankyu-hanshin-dept.co.jp/index.html

お客様情報

佐藤 花世 氏

CS推進室 ゼネラルマネージャ

※部署・役職はインタビュー当時のものです

導入背景

1929年、世界初のターミナル百貨店として開業以来、人々の生活になくてはならない存在であり続けるため、より一層の飛躍を目指す阪急阪神百貨店。
経営の効率化により、営業現場の役割者要員はこの10年で大幅減少。働き方の見直しや研修を実施していましたが、日々の業務に追われ、ゆとりのない状況が、部下育成においてよくない影響を及ぼしていました。

変化の中で成功の鍵を握るのは、最前線の売場を守る人。
「ワクワクする、行きたくなる売場づくり」のための"人"の育成が急務でした。

インタビュー内容

たどりついたのはシンプルな答え。「仕事が楽しければ、みんなやる気になる」

Q

今回のマネジメントワークショップ導入に至った経緯はどういったものでしたか?

A

私は2016年度まで営業現場におりまして、2017年度より、CS推進室に異動してきました。
CS推進室のミッションは「営業現場の戦力最大化」であり、そのミッションの中で、どのような施策を進めていくべきか、ということを考えるところからのスタートでした。
その前に、弊社社長が、全経営職に向けて『4500人総活躍をする会社を目指す』という方針が示されていました。これは全員に画一的な成果を求めるのではなく、それぞれの能力に応じて、個々が最大限活躍する、精一杯やる、上司は個々の能力を最大限引き出していく、ということです。この2つの指針からCS推進室としての活動を生み出していく必要がありました。

まずは人を活かしてやる気にさせる為には何が必要なのか、を考えました。色々と考えを巡らせはしたものの、たどり着いた答えはシンプルなもので、私としては『仕事が楽しければみんなやる気になるんじゃないの?』と考えるにいたりました。

では、『仕事が楽しいってどういうことなのか?』を考えてみると、単に指示に従って業務をこなすのではなく自分なりに創意工夫をして、一から十まで言われなくても自分なりのやり方でできる、というのは一つの仕事における楽しさではないか、また管理職側もそうした自律的な人材を育てるとともに現場に携わっている人の意見を吸い上げれば皆が仕事を楽しめて、成果もうまれるのでは、という思いがありました。
そうして施策を検討する中で、サーバントリーダーシップ、という概念を思い出し、これを軸に活動を行っていくことを検討するにいたりました


Q

レアリゼのセミナーにも参加いただきましたが、どのようなご印象でしたか?

A

私は色々なことに納得できないと文句をつけがちなのですが、そんな自分でも、非常に腹落ち感があるセミナーでした。体感ワークの上でグループでの気付きについて話し合いを行うことで理解を深めて実践に至らせる、という研修スタイルも弊社にとって受け入れやすいもので内容に納得いったとともに『面白いな~』と思いました。


Q

対象層については最初から決まっていましたか?

A

ゼネラルマネージャー(部長層)、ディビジョンマネージャー(課長層)からか、マネージャー(係長層)からか正直迷ったところもありましたが、レアリゼさんから、「サーバントリーダーシップの組織開発においては、下の層が変わると上の層が変わりやすくなる」という他社様の事例とご提案を頂戴して、やり方等も含めて詳しい情報提供をいただきましたので、マネージャーを中心に実施していくことにしました。

確かに、自分のマネジメント・リーダーシップのスタンスが確定しておらず悩んでいる層を対象に先に行っていき、彼らの現場での悩みに対応した方がより効果的かな、とも考えました。
その上で、レアリゼさんからのご提案もあり、マネージャーの上司にも理解と認知が必要だろうと、ゼネラルマネージャー・ディビジョンマネージャーにも、半日でのワークを行うこととしました。



マーケットが変化する中、部下育成の基本的なスタンスを変えてもらう必要がある

Q

マネージャー層の現実的な課題としてどのようなものがありましたか?

A

これは現場にいた時に感じていたことなのですが、百貨店においては生産性向上を目指して人員が少なくなるにつれ、ひとりひとりの仕事が増え、マネジメントにおいて管理はできていてもリーダーシップを発揮している人が少なくなっていました。当時の部下に次世代のディビジョンマネージャーに誰が推薦出来る?と尋ねた時に、具体的な名前が返ってきませんでした。
では、今の部下に何が足りないのか、と聞くと、チームを動かすということがうまくできていない印象でした。
これは、彼ら自身が業務に忙殺され、部下とのコミュニケーションに時間を割けないと思い込んでいることが一因でした。コミュニケーションの重要性を上司から教える、ということについては、非常に難しさを感じていました。

また、1年ほど前から経営職・マネージャーに対しての評価軸に「部下育成能力」の項目が入った時に、各管理職の中に「育成=教えなきゃ」という意識が生まれていました。

漠然と、マーケットが大きく変化している中でその「自分のやり方を教える」という感じが、本来の部下育成とは本質的に違うのではないか、と違和感を覚えていました。このまま育成評価を推し進めていく上では、部下育成への基本的なスタンスを考えてもらう必要があるんじゃないか、と。

また、百貨店の業務においては取引先様との関係性も非常に重要であると言えますが、社員の人数が減ってくる中で、取引先様との関係性を大事にする風潮が薄くなっているように感じており、若いマネージャーが取引先のスタッフの方に偉そうな物言いをしていることに課題を感じました。
結局、そういうマネージャーには人はついていかない、と感じました。


Q

初めての施策、ということで反発はありませんでしたか?

A

当初は「サーバントリーダーシップ」という考え方を経営層の方々がどのように受け止められるのだろう、と非常に不安でした。
経営層へは、研修実施前に説明する機会を設定してもらい、サーバントリーダーシップなどの説明も行いました。結果として、ご理解いただけ様々なご協力もいただくことができました。


現場に向けての発信も「マネジメントワークショップ」として進めていて、サーバントリーダーシップを全面に出したわけではありませんでした。これはレアリゼさんからもアドバイスいただいたからですが、タイトル化して“サーバントリーダーシップを教え込む”というのではなく、受講した人達が自分でそのリーダーシップスタイルを必要だと感じ、選択する研修としたかったからです。


Q

レアリゼの進め方は課題を全て聞き出して、そこからお手伝いをしていくことを行っております。その中でのやりにくさはありませんでしたか?

A

私は研修のプロではないので、様々な他社様の事例、経験からのご提案があり、やりやすく感じました。また、我々が求めていることをイチから全て聞き出していただいたことで、改めて目的やアクションプランも自分たちの中に明確にしていくプロセスとなり効果があったように思います。その中で潜在化していた研修に求める効果などへの新たな気付きも多くいただきました。
普通の研修会社って、こんなにも色々とリクエストや、内容の修正などに、ここまで対応してくれるものなのかな?と思うほどに丁寧に臨機応変にご対応いただけたと感じております。


Q

研修終了後、 1ヶ月空いてフォロー研修がありました。この時のご印象はいかがでしたか?

A

間に繁忙期を挟んでいたこともあり、熱気が冷めているのではないかな、と心配していました。出されていた課題や内容も忘れているのではないかな、と。
しかし実際は課題もしっかりこなしてきていましたし、始まってすぐに身のあるディスカッションが始まったことに驚きました。これが自分自身のマネジメントにとって本当に大切なことなんだ、と実感してくれたのだろうな、と思いました。


Q

出来上がったプログラムで研修が進んでいく中で、どういった印象でしたか?

A

心配していたことが心配でなくなるくらいに受講者の皆さんが心を開いて参加してくれました。もう少し照れがあって、本音では喋らないのではないかな、と思っていましたが、思っている以上に自らの想いを語ってくれました。

これは、レアリゼさんによる、心理的な安全性が保たれるような工夫や健全な話し合いができるような雰囲気作り、そして、体感や気付きを中心として、強制的ではない状態の中でしっかり心理的な納得に導く研修になっている、ということが大きなポイントになっていたのだろうと思います。

改めて感じたのは、おそらく、受講者は『部下を思いやる』ということが大切だとわかっているのにできていない現状に対して、多くの悩みや後ろめたさ、みたいなものを持っていたのだろうな、ということです。
日々の忙しさの中でその後ろめたさをしまいこんでいたのではないか、とも思いました。
研修を通して内容については充分に納得した上で実践に向けてのコミットをしてくれて、しかも「楽しかった~」「今までの研修の中で一番ためになりました」とまで言ってくれるとは思いませんでした。



抽象的な気付きからの学び ~困りごとを概念化し、言語化することの大切さ~

Q

プログラムが進んでいく中でどのような変化を感じましたか?

A

まずはレアリゼさんの作られた場の設定の中で、自分の悩みや気付きを思うままに語って良いという場が出来たことを喜んでくれました。結果として受講者本人のモチベーションUPなんてだれも考えていなかったのに、これが副産物的に、しかも大きなお土産としてついてきたことが非常に大きかったです。

これは、体感ワークや各種プログラム、そして、一緒に受けた同じ立場にいる受講者との話し合いによって、モヤモヤしていた自身の組織についての悩みが明確になったことが大きいように思っています。自分が困っていることを概念化し、気付きとして言葉にする、ということが今までなかったのかもしれません。それもレアリゼさんの抽象的な気付きから学ぶことの利点なのかもしれません。

悩みや課題が整理できて、しかも、研修で得た情報をヒントとして現場ですぐ応用して、使えそうな物が見つかって嬉しかったのではないかなと思っています。ここまで楽しみながら本人達が変わっていくことができたことにびっくりしました。


Q

その後のご状況はいかがですか?

A

サーバントリーダーシップという考え方そのものも広がっており、一例ではありますが、阪急うめだ本店では頑張っている姿を認め、承認することで前向きな力を育てよう、と「グッドジョブカード」という活動が広がっています。これは、お客さまへ一歩先読みした素晴らしい行動があった場合、その方に一言コメントを添えてカードが配られます。上司側も日々のメンバーの働きぶりを見ていないと判別出来ませんし、コミュニケーション強化や、部下を認める、ほめるにつながる仕掛けということで始めました。

やってみると、サービスを指導するようなサービスマネージャーも、これまではできていないことに着目した指導の仕方偏っていのですが、出来ていることを褒めるやり方に変えるだけでメンバーがこんなに喜んでくれて更に自発的になってくれるとは思わなかった、と驚いています。

『これまでは目が合うと叱られるのでは、と目を逸らされていたこともあったのに、みんなが自分の頑張りを見てほしい、と報告をしてくれるようになった。やってね、とお願いしてもいないことまでやってくれるし、ここまでみんな前向きにやってくれるとは、初めての経験だった』、と喜んでいました。

これは昨年度だけのキャンペーンだったんですが、現場から続けていきたい、という声があって、今年度も継続しています。

社内の会議やミーティングにおいても目標の共通認識の大切さや、様々な意見を吸い上げることの重要性を意識した発言も増えてきたように思います。

事例概要

実施プロジェクト マネジメントワークショップ
対象者 マネージャー(係長)層
実施プログラム サーバントリーダーシップ プログラム
目的 組織活性化、人材育成
  • このエントリーをはてなブックマークに追加